お笑い業界用語「天丼」の由来となぜ「天丼は3回まで」なのか

お笑い業界用語「天丼」の由来となぜ「天丼は3回まで」なのかと、お笑い用語の「天丼」を解説しています。お笑い用語の「かぶせ」との違いも説明しています。

お笑い用語「天丼」の意味

天丼の面白さとは?

天丼の具体例まとめ

なぜ天丼は3回までなのか?

天丼をツッコミで行う例

お笑い用語「天丼」と「かぶせ」の違い

お笑い用語「天丼」の語源と由来

一発屋のネタも天丼が多い

天丼の東海オンエアの例

お笑い用語「天丼」の意味

『天丼』の意味を一言で説明すると、「いろんな展開で同じフレーズを繰り返して笑いを取る技法」です。一言でいうと単純なテクニックになりますが、実際に笑いをとるには細かい工夫が必要です。また、業界用語としてはもう少し狭い意味で使われる場合も多いので、語源や具体例を参考にしてください。

天丼はプロの芸人がM-1グランプリなどで使う本気ネタにも使う事例がたくさんあります。面白いと評判のYOUTUBERやタレントも天丼を使いこなしていますが、バラエティに出演するタレントの多くは天丼がよく理解できずにMCのフリに対してうまく笑いを取れないことが多いです(そして、カットされます)。そして、天丼は一般人が日常生活でも使えるお笑いの技法でもあります。一般人は、天丼というお笑い用語を知らなくても無意識に「何度も同じことを言うのが面白いから」という理由で使っていることがよくあります。

お笑いの基本は天丼

全く同じことを繰り返すのが天丼ですが、同じようなことを繰り返すのも天丼と同じお笑いです。お笑い芸人の「かまいたち」は、常に頭のおかしい返しをし続けるという天丼で、「次はどんな頭のおかしい発言をするのだろう」とわくわくさせてくれます。また、「霜降り明星」の粗品は、常に少しひねったうまいこというツッコミを繰り返すという天丼ネタをするので、「次はどんな鋭いツッコミが出るかな」とわくわくさせてくれます。粗品は同じ手の動きでツッコミを繰り返すので、天丼ネタであることがわかりやすいですね。

天丼がわかればお笑い通

天丼ネタに対応できればお笑いがよくわかっているという扱いになります。なぜなら、普通に会話していれば違う展開から話を振られたら違う話をしてしまうからです。同じことを繰り返したほうが笑いにつながるということを理解して、適切なタイミングで天丼することができるのはお笑いの素質がある程度はあると言えるでしょう。

「天丼」の面白さとは?

天丼の面白さにはいくつか種類があります。「なんでまた同じバカをやっているんだ!」「なんでずっとそんなことを気にしているんだ!」「この流れでまた同じ展開になるとは!」など同じことが変なタイミングで繰り返されてしまった事自体が面白いのが天丼の面白さの根本です。

同じバカをする面白さ

「もうこれ以上バカはしないだろう」という状況を作りながら、一つのネタの中で何度も同じバカをするのが天丼の面白さの一つです。具体的には、「細かく手順を教える」「練習をする」などした後に、「次はできます」「練習は完璧です」などの前フリを入れてから同じ天丼を繰り返すのです。

変なことを気にする面白さ

大切な人の不幸や緊急事態などのシチュエーションで「なんでずっとそんなことを気にしているんだ!」というような発言を繰り返すのが天丼の面白さの一つです。「注文した天丼が来ない」という天丼を繰り返すのがお笑い用語「天丼」の語源であるという説もあります。

同じ展開になる面白さ

「この流れでまた同じ展開になるとは!」という天丼の面白さは、3回目からは「また同じ流れになりそうだ!」と期待させて笑わせる力もあります。明石家さんまはネタではなく、トーク番組の中で、強引に同じ展開に持っていく面白さを作り出すことで有名ですね。

なぜ天丼は3回までなのか?

天丼は3回までにしたほうがよいとも言われるのは、短時間に同じボケを繰り返すと「くどい」「飽きた」などの感想を持たれることが多いからです。天丼のやりすぎも良くないという意味で、一般受けを考えた数分のネタ時間なら「天丼は3回までが目安」ということです。「天丼は3回まで」とよく言われるのは、ダウンタウンの松本人志が天丼の説明をするときに、「3回くらい同じことを言って笑いを取るのを天丼っていうんですよね」という感じで伝えたことが由来です。

天丼を3回以上する場合は?

長い時間話したり、ネタをしたりする場合には3回より多く天丼をしても問題ありません。短時間に、延々と同じことを繰り返すのが面白いネタを作れれば「天丼」を何度繰り返しても良いでしょう。身内やコアなファンなど内輪ネタで盛り上がる場合は、くどいくらい繰り返しても問題はない場合が多いです。ダウンタウンの松本人志も3回以上天丼を繰り返して笑いを取るネタを面白いと認めたことがあります。

天丼の回数の数え方

天丼は同じボケを2回繰り返して初めて成り立つので、2回目の繰り返しが1天丼でカウントします。つまり2回天丼をする場合には3回ボケて、3回天丼をする場合には4回ボケることになります。また、天丼は一度の会話やネタに何種類でも入れることができます。

天丼を3回した後にやることは?

天丼を3回繰り返した後には、「すかし」というテクニックを使ってもう一回笑いを取ることができます。そして、「すかし」で使った新しい言葉で、また3回まで天丼を続けるという天丼の無限ループネタもおすすめです。日常会話でも同じことができます。

「天丼」をあえてやらない

1つの「天丼」があまりウケなくなってきたら、別の天丼をやるのもよいでしょう。そのことを利用して天丼のパターンを改善するとまた新しい天丼が生まれます。ツッコミがしっかりしていると、天丼ではなく、ただ同じ事を言っただけでも笑いにはなる場合もあります。

また、明らかに「天丼」をする流れであえてやらないというボケもあります。その場合は、「天丼じゃないのかよ!」というようなツッコミで笑いに変えることができ、それをきっかけにネタを別の方向に発展させていくことが可能です。

天丼すかし

天丼を何度か繰り返していると、同じ言葉が来る期待値がどんどん高まります。その時に、急に天丼をやめて別なことを言うのが「すかし」というお笑い用語の意味です。

なんで2回言うねん

ダウンタウンの松本が全く同じことを2回言ったあとに、「なんで2回言うねん」というネタがありますが、これは「天丼」でも「かぶせ」でもありませんが、面白い理由は似ているところがあります。同じことを2回言わなそうな松本さんが、同じことを2回言わなそうな状況で同じことを2回言うのが面白いだけのボケです。

「天丼」ネタの具体例まとめ

ここでは天丼ネタの具体例を紹介しています。ネタの具体例だけでなく、芸人の具体例も上げておきます。

お笑い用語の「天丼」と芸人のネタ

最近のM-1グランプリでは、「ミルクボーイ」「マヂカルラブリー」「錦鯉」と同じ展開を繰り返して笑いを取る芸人が連続で優勝しています。同じ展開を繰り返して笑いを取る天丼ネタは、笑いに詳しくない人にもわかりやすいのでテレビのショーレースでは特に有利といえるでしょう。

また以前からM-1グランプリでは、「タカアンドトシ」「さらば青春の光」などツッコミで天丼を駆使する芸人のネタも人気です。誰でも気軽に真似して楽しめるので、天丼はテレビ業界でも人気です。天丼ネタをテレビ番組で行う人で一番の成功例は「明石家さんま」ですね。

「ミルクボーイ」の天丼ネタはなぜ面白い?

「ミルクボーイ」は、「その特徴は完全に○○やないか!」と「ほな○○と違うかぁ」を延々と繰り返す天丼ネタで一番有名な芸人になりましたが、その面白さは○○をずっといじっていることにあります。明らかにいじっている失礼な説明に対して、「その特徴は完全に○○やないか!」というのが面白いです。その上、明らかによい説明に対しては「ほな○○と違うかぁ」と真逆でありながら同じようないじり方をずっと繰り返す天丼が最高に面白いです。

天丼の例で有名なのは明石家さんま!

テレビ番組で「天丼」を多用しているのが「明石家さんま」です。格闘家やアイドルなどトーク技術が低いタレントとトーク番組をやる際には、ベタなフリに対して同じ返しをするだけで笑いを取れるようにお膳立てする「天丼」を使います。ただし、天丼のことを知らない人は、正しい返しをできません。

天丼が不評な例も明石家さんま!

天丼の技術のおかげで「さんまさんのおかげで面白くなった」と高評価される一方で、「○○ちゃんの話をちゃんと聞いて欲しい」「同じ天丼ネタばかり繰り返してしつこい」などお笑いよりもトークを重視している人からは否定的に見られています。

明石家さんまの天丼の例

東大生の大津くんが面白い動作で「心がぽきっと折れてしまって」と言って笑いを取った後に、様々な番組のトークの展開の中で「大津、その時どう思ったんや?」と天丼ネタを振り続けました。ただし、一度ではうまくできなかったので一度目を失敗した大津くんに対して「そこは、心がぽきっと折れてしまってやろ!」と動作付きで指導しました。その後は、東大生の大津くんも天丼ネタを理解して、うまく対応できていました。

「メンバー」の天丼ネタ「しりとり」は無限ループの代表例

「メンバー」の天丼ネタ「しりとり」は、「りんご→ゴリラ→ラッパ→パセリ→…」を延々と繰り返してしまう無限ループの面白さです。「天丼」の面白さの1つに無限ループがあります。「これじゃ無限ループじゃないか!」と突っ込みたくなるような面白さが天丼ネタの魅力ですね。

無限ループの天丼ネタの終わり方の例

天丼ネタが永遠に終わらなそうな発言をした後に「もうええわ」と漫才を終わるのも定番です。「いつまでやんねん」「永遠に終わらんやん」など無限ループになってしまったことにうんざりする表現をすると天丼ネタを終わらせる合図だとお笑いファンは理解してくれます。

お笑い用語「天丼」をツッコミで行う例

天丼はボケではなくツッコミで行うこともできます。ただし、ツッコミで天丼を行うためには、ボケがその方向に誘導する必要があるので、表面的にはツッコミが天丼をしていますが、ボケが天丼ツッコミを誘い続けることになります。

ツッコミでも使える「天丼」の具体例

お笑い用語「天丼」は、ボケだけでなくツッコミでも使えるぞ!同じツッコミを何度も繰り返すというボケでもあるのだが、とにかく「さらば青春の光」の「漫画やん!」とか「霜降り明星粗品」の「お前のこと誰が好きなん?」みたいに同じツッコミを繰り返す天丼ネタは面白いですね。

タカアンドトシの「天丼」ネタの例

「タカアンドトシ」はツッコミの「天丼」を多用した芸人として大成功していました。「欧米か!」「南米か!」「真面目か!」「老夫婦か!」など天丼ツッコミのフレーズが今でもたくさん浮かびます。特定のツッコミを言わせるためにボケていることがわかっていても面白く感じます。

さらば青春の光の天丼ネタ例

「さらば青春の光」の天丼ネタ例として有名なのは、テレビCMでも使われた「漫画やん!」です。ボケが漫画みたいな日常エピソードを話して、それに対して「漫画やん!」とツッコミを入れる天丼ネタです。

そして、ツッコミ側が日常エピソードを話した際には「浄瑠璃やん」や「能やん」と全く馴染みのない伝統芸能のネタとかぶっているというツッコミ風ボケを行います。

「天丼」の面白さを日常会話で活かすコツ

天丼を使うときもいつも通り、自分で会話を楽しむことが重要だ。自分が笑わずに相手だけを笑わせようとするのは昔の尖った芸人にしかできない芸当だ。相手の「天丼」や「かぶせ」にもいっぱい笑ってノッて、なんだったら誘い笑いも使って笑いをとるのがおすすめだ!

日常会話の天丼はネタと違って想定通りにできない分、アドリブ力が大事になる。アドリブになると笑いのハードルはかなり下がるので芸人のネタのような高度な「天丼」や「かぶせ」をする必要はないので安心して行える。むしろ、お笑いノリよりも内輪ノリのほうが面白いことが多い。

お笑いテクニックの天丼に関する解説

みんなで天丼を繰り返して、いろいろなものを共有していくと定番ネタに格上げしていくことも可能な面白いパターンを発見するでしょう。お笑いが好きなコミュニティなら、プロのネタを定番ネタに格上げしていくこともできます。楽しくコミュニティに一体感が生まれるおすすめの方法です。

お笑いの天丼とは少し違うかもしれないけど、単純に何回か同じ事を連続で言うだけでも面白い!その時は、お笑いの天丼のやるときのように、「面白くするためにわざと繰り返して言っているんだよ!」というようにしよう。そうしないと、本当に頭がおかしくなったと思って引いてしまいます!頭ではわかっていても、お笑い感をあまり出さずにジョークを言うと本能的に恐怖を感じるので笑いづらくなります。

お笑い用語「天丼」と「かぶせ」の違い

お笑い用語の「天丼」と「かぶせ」は似たようなお笑い用語と思われがちですが、実際には大きな違いがあります。「かぶせ」のほう有名なお笑い用語で、「天丼」は少しマニアックなお笑い用語なので通じない場合もあるので注意しましょう。

お笑い用語としての「天丼」と「かぶせ」の違い

お笑い用語「天丼」は少しマニアックで伝わりにくいので、テレビなどではあまり使わないほうが望ましいが、お笑い通の芸人などは無意識に「天丼やん」と使ってしまう。一方でお笑い用語の「かぶせ」は、直感的にも理解できるので、テレビなどでは積極的に使われます。

プロは「天丼」と「かぶせ」の違いにこだわる

お笑い用語「天丼」は、お笑い用語の「かぶせ」よりも狭いので汎用性が低い。ただし、お笑い通の人は「天丼」と「かぶせ」の違いにこだわることが多い。

「天丼」と「かぶせ」の展開の違い

「かぶせ」は面白いボケに乗っかってエスカレートしていくお笑いです。一方の「天丼」は、意外な展開で毎回同じ言葉に落ち着くことで笑いにするという違いがあります。

「天丼」と「かぶせ」のいじり展開の違いの具体例(アンジャッシュ児島)

「かぶせ」はいじりがどんどんエスカレートして行くので、最初は「やめろ!」で済んだツッコミが、最終的には「もう芸人辞めちゃうよ」というツッコミが最適なほどいじりがエスカレートしていく例があります。アンジャッシュ児島に対して、「かぶせ」いじりを仕掛けるのは「有吉弘行」が一番多いです。

アンジャッシュ児島には、わざと名前を間違えて「児島だよ!」と突っ込ませる天丼ネタのいちばん有名な例があります。この天丼ネタの面白さは名前を間違えられたくらいで異常に怒って大声を出すところにあったのですが、この天丼ネタが広まるに連れて名前の間違え方に工夫を凝らすという楽しみも生まれました。

「天丼」は大声を出すしかできない芸人などに様々ないじりをして結局毎回大声を出して返すしかないという展開を繰り返すことになります。天丼の展開をよく理解して、天丼の展開に乗れる人は「お笑いをよくわかっている」と言われます。普通の人は、同じことを繰り返すのを避けて違うことを言ってしまうので、天丼に失敗します。

お笑い用語「天丼」の語源や由来

お笑い用語「天丼」の語源は、「天丼には海老天が普通2本入っているから、同じ面白いことを2回言うのと同じだから」ではありません。現在では、天丼の海老天の数は様々なのであまりしっくり来ない語源ですね。

天丼というお笑い用語を最初に作った人は、たまたま自分がよく食べる天丼に海老天が2個入ってたのを見て、「海老天は2回同じの食べても美味しいから、お笑いも一緒かも」と考えていたとしたら面白いですね。

お笑い用語「天丼」の語源には別の説もあり

お笑い用語「天丼」は、「天丼の出前が来ない」というボケを何度も繰り返すネタが語源であるという説もあります。この節を唱えている有力者の一人がダウンタウンの松本人志です。

先ほど紹介した通説よりも説得力がありますね。「天丼の出前が来ない」というネタのことを「天丼」と呼んで、そのうち、同じボケを繰り返す技術を「天丼」と呼ぶのはかなり自然な流れです。

お笑い用語「天丼」とてんどんマン

お笑い用語「天丼」とアンパンマンのキャラの「てんどんマン」は直接的には関係ありませんが、「天丼」をモチーフにしたキャラである「てんどんマン」の海老天の数は常に2本なので、お笑い用語の「天丼」の語源とは意外な共通点があります。

また、「てんてんどんどん♪てーんどんどん♪」というリズムが癖になるので、子供相手に「てんどんマン」のモノマネの「天丼」を行うと延々と笑いを取り続けることができます。

お笑い用語「天丼」と子供

子どもたちは「天丼」で同じネタを繰り返すのが大好きです。面白いことをやったら、何度も「もう一回やって!」と頼まれるので、子供相手には単純に同じネタを繰り返す「天丼」で笑いを取り続けるのがおすすめです。

お笑い用語「誘い笑い」の解説

お笑い用語「誘い笑い」は、面白いことを言い終わった後に自分が先に笑って相手を笑わせる方法だ。人気お笑い芸人の有吉弘行さんも「誘い笑い」を多用している。有吉弘行さんは、毒舌がきつすぎるので面白くても笑っていいのか迷うネタが多いので「誘い笑い」を有効に使っている。

「天丼」や「かぶせ」の後にも「誘い笑い」は有効だ。「天丼」や「かぶせ」を行って滑りそうになった場合でも「誘い笑い」を使えば、最低でも「愛想笑い」はしてもらえるので、気が楽になるぞ!

お笑い用語「くだり」の解説

お笑い用語「くだり」は、エピソードトークや天丼などの一連の流れです。「またあのくだりやってよ!」「またあのくだりをやろう!」を本番前に言っておけば本番で「天丼」や「かぶせ」をやりやすくなります。ミニコントのやりとりなども指します。

お笑い用語「こする」の解説

お笑い用語「こする」は、同じエピソードトークやネタを何度も使い回すことです。お笑い芸人はウケたことは何度でも繰り返して行いますが、度が過ぎていると「こすっているなぁ」と言われます。

一発屋のネタも天丼の一例

「そんなの関係ねぇ」「ラララライ」「ラッスンゴレライ」など一発屋と呼ばれる芸人のネタも同じことを繰り返すので天丼ネタの典型例です。一発屋の天丼ネタはリズムネタであることも多いです。何度も同じことを繰り返すのでリズムに載せたほうが楽しく何回も聞けます。「天丼は3回まで」という暗黙の了解がありますが、リズムに乗せればもっと多く同じことを繰り返す音楽と同じジャンルになるので、「天丼は3回まで」という成約は関係なくなります。

小島よしおの天丼ネタ例「そんなの関係ねぇ」

小島よしおは、普通なら気にしたほうがいい失敗例などの簡単にいくつか紹介した後に、「そんなの関係ねぇ」と踊りながら開き直る天丼ネタで有名です。最初にわざと大きな失敗をして「下手こいた~」と落ち込んだ後に、開き直って踊りながら天丼を繰り返すのが面白いと言われています。

藤崎マーケットの天丼ネタ例「ラララライ体操」

藤崎マーケットの「ラララライ体操」はかなりわかりやすい天丼ネタの例です。一見ラララライ体操と関係なさそうなコミカルな動きをした後に、「ラララライ体操」が始まるという天丼ネタの最高峰です。

8.6秒バズーカの天丼ネタ例「ラッスンゴレライ」

8.6秒バズーカの天丼ネタとしていちばん有名なのは「ラッスンゴレライ」です。「ラッスンゴレライ」という意味不明な単語をリズミカルに繰り返すというボケを延々と繰り返します。ネタの展開に工夫があまりなく、あまりに過度にやっているために、天丼には該当しないという意見もあります。

お笑い用語「天丼」と東海オンエアの具体例

人気Youtuberの「東海オンエア」も「天丼」を多用しています。面白いニュースとして話題になった「東大医学部は頭が悪い!→うるさい!→本当だからだ!」のやりとりを気に入っているようで動画のいろいろな場所で繰り返し「天丼」して笑いをとっています。東海オンエアのファンの間でも、このネタの「天丼」が流行しています。

東海オンエアはお笑いが好きなグループなので、テレビで芸人などがやっていた「くだり」を真似するのが好きです。その中でも特に面白いと思ったものを「天丼」するための面白い企画を作って動画を撮影しています。テレビで見るプロの芸人でなくても天丼で面白いことをするのは可能なのです。

東海オンエアはメンバーのキャラ分けが徹底されており、いろいろな動画でメンバーのキャラを活かした天丼企画を行っています。リーダーてつやのお母さんなど面白いキャラのお母さんも利用して、天丼が成り立つような笑いの企画を行っています。

虫眼鏡の天丼ネタ例

東海オンエアメンバーの「虫眼鏡」は低身長と家族仲が悪いという自虐ネタを天丼して笑いを取り続けています。また、面白い奇声をあげる個性を利用して、「虫眼鏡に奇声を上げさせる企画」で奇声の天丼が面白い動画を作っていました。メンバーをバカ扱いするというノリを繰り返す勉強系の企画も東海オンエアでは人気です。

りょうの天丼ネタ例

東海オンエアメンバーの「りょう」は高身長、イケメン、育ちが良い、イタリア人など過剰に持ち上げられるネタの天丼で笑いを取り続けています。過剰に持ち上げやすい言動を「りょう」が行った後に、「それはりょうやん」というツッコミで笑いを生み出す天丼パターンも人気です。

高身長の「りょう」と低身長の「虫眼鏡」の対立ネタも天丼され続けています。また、ハイスペックなのに「彼女がいないから不幸」「一生結婚できない」などいじりネタでも天丼されて人気です。実はおバカキャラでもあるのですが、メンバー「としみつ」のおバカキャラを際立たせるために「りょう」のおバカキャラはあまり使わないようにしています。

としみつの天丼ネタ例

東海オンエアメンバーの「としみつ」は天然おバカキャラをいじられる天丼で人気です。以前は馬鹿にされて本気で怒ることでも笑いを取り続けていましたが、2022年時点では本気で怒るよりも自虐をする方向で笑いを取るようになりました。

「としみつ」は漫画や海外ドラマの引用を繰り返すことで笑いをとる天丼も多用しています。特に同じく漫画や海外ドラマに詳しい「しばゆー」と一緒に、漫画や海外ドラマが元ネタのコント会話を続ける天丼ネタも人気です。

しばゆーの天丼ネタ例

東海オンエアメンバーの「しばゆー」は意味不明だけど面白い言葉を作るのが得意なので、笑いのオチを担当することが多いです。メンバーの中で一番面白いボケ方ができるので、東海オンエアではしばゆーにボケさせる天丼で笑いを取り続けています。

「最低さん」という女性に対して最低なことをいうキャラも繰り返し利用されています。天才的なボケができるので、一度使ったボケを別の企画の別の流れで使うような天丼をよく多用しています。料理が下手すぎるキャラの天丼も様々な企画で役立っています。

てつやの天丼ネタ例

東海オンエアリーダーの「てつや」はダジャレやうまいことをいうのが得意なので、印象に残る滑り方をして動画を面白くする天丼を多用しています。変なタイミングでものすごく臭いおならをするという天丼ネタや絶妙なタイミングで大便に行くという天丼ネタも使っています。

ゆめまるの天丼ネタ例

東海オンエアメンバーの「ゆめまる」はすぐに嘔吐反応をするのが面白いので、嘔吐反応が出そうなことを何度もやる展開を作って笑いを取り続ける天丼の担当となっています。ゆめまるの「嘔吐反応」は「嗚咽」と呼ばれて、特別な天丼ネタとしてわかりやすい名前をつけられています。

「天丼」の深い意味

広く言うと、同じ系統や構造のネタ・セリフを何度も繰り返すことです。少し間を開けて、意外な面白い流れで全く同じボケを繰り返す場合のみを指すとする考え方もあります。また、天丼はネタの基本なのでどれだけ面白く天丼ネタを作れるかが大切です。

「天丼」はなぜ面白い?

まず第一に「面白いボケは何度聴いても面白い」という要因があります。当然、面白いボケを少しアレンジしたボケも面白いと感じてもらえます。それをうまい流れやタイミングで使えば面白いのは当然とも言えるでしょう。

「天丼」はなぜ繰り返す?

また、笑いは共通理解があることで生まれるという原理をうまく利用したテクニックでもあります。一回受けたボケは、その場で笑いを生み出す共通理解としては最高です。みんなが「このネタ振りとボケの組み合わせを何度も聞きたい」と思っていることが重要です。ただし、なんでも同じ事を言えばいいわけではありません。何度も繰り返すのが面白いボケと一度だけなのが面白いボケがあります。

天丼するな

天丼に失敗した場合にはすべりを緩和するために「天丼するな」というツッコミが使われます。ただし、「天丼するな」は意味が通じない可能性がないので、「なんで同じこというねん」のほうが天丼ですべった際のツッコミとしては汎用性が高いです。

天丼の失敗例

「天丼」を使って何度も繰り返す面白い展開を作るのは素晴らしいことですが、いろいろな話を聞きたいと思っている人が多い場合には、面白さよりもトークの中身も重視することが大切です。

「天丼」ネタは何度聞いても面白い

お笑い芸人の定番ネタは何度聞いても笑っちゃうよね。日本人はそれくらい天丼に弱い。同じことを天丼されるとついつい笑ってしまう。多少滑って変なことを言ってしまった場合は、わざと別のタイミングで同じ事を言ってみると笑いが取れます。天丼というテクニックは、一回目に笑いが取れなかった場合にもネタフリや伏線として使えるんだよね!

「天丼」はお笑いネタとして定着

一度ウケたネタは何度も笑いを取れる確率が高い。それどころか何度も繰り返すことで大爆笑を取れることもある。飽きられて滑るリスクもあるけど、新しくネタを作るよりも、一度ウケたネタを使い回すほうが安定して笑いを取れるね。だからこそ「天丼」がお笑い用語として定着するに至ったんだ。