ユーモアセンスを磨くと笑いのつぼをつける。

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取材班がチベットの奥地,秘境中の秘境とされる地をジープで通りかかると,跪いて地面に耳をつけている老人の姿があった。

取材班がチベットの奥地,秘境中の秘境とされる地をジープで通りかかると,跪いて地面に耳をつけている老人の姿があった。
「あれが,今回取材にきた『大地と語る老人』に違いありません」
「ちょうどいい。すぐ撮影準備だ」

さっそく取材班は,カメラを組み立てるや,老人にマイクを向けた。
「ご老人。何か聞こえるのでしょうか?」
やせこけた老人は,目ヤニの奥に黒く鋭く輝く瞳で彼等を見つめると,こう答えた。
「車じゃ。青い車に男がひとり,女が二人。アメリカ人じゃろう。西へ向かっておる。ナンバーは・・・」

取材班はざわめいた。
「信じられない!地面の音でそれだけ分かるなんて」
「神秘だ!これぞ,文明と共に失われてしまった人間の神秘の力なのでしょうか」

老人は続けた。
「・・・が,わしを引いていきよった。早く警察と救急車を呼んでくれ」

よいコンテンツを作るために必死になりすぎる取材者を批判しているものです。
大げさな表現で報道しがちな取材班の勘違いは面白いです。
勘違いは、現実とのギャップが強ければ強いほどインパクトがあります。

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彼は、チョコレートクッキーがこの世の何よりも好きだった。

最後の力を振りしぼり、ベッドから出て、部屋を横切り階段まで向かった。
そして階段を下り、台所の中へ入っていった。

そこでは、彼の妻がチョコレートクッキーを焼いていた。
つまみ食いをしようと手を伸ばすと、妻が手にした木製スプーンで手の甲をピシャっと叩かれた。
「取っちゃダメよ!」彼女は言った。「葬式用なんだから!」

合理的に自分のことだけを考えた行動が非常に残酷なものになるっていうタイプのブラックユーモアです。

十数年前の前の話である。
国際会議の後,アメリカ大統領とイスラエル首相とソビエト書記長が,ゆったりとソファーに座って,
酒を飲みかわしながら雑談していた。そして,自国の情報機関がいかに優秀かについて激論を交わしたのだった

数週間後。とある国のとある森。アメリカのCIA,イスラエルのモサド,ソビエトのKGBの部員たちがいた。
彼らは,ウサギを森に放して,いかにそれを捕まえるかを競うことになったのである。

最初は,CIAがその森に入っていった。
彼らは,動物達の中にスパイを配置し,全ての植物,全ての鉱物について慎重に聞き込み捜査を行った。
そして,1ヶ月後,ウサギは存在し得ないと結論づけた。

次に,モサドが森に入っていった。
彼らは,顔色も変えずに森を焼き払い,2週間がかりで全ての動物を殺してしまった。
そして,別の森からウサギを連れてきて,ウサギをつかまえたと結論づけたのであった。

最後に,KGBが森に入っていった。
彼らは,なんと1時間後に,ウサギを見つけたと言って,森から出てきた。
しかし,それはどうみても,ボロボロに拷問を受けたアライグマだった。
首ネッコをつかまれたアライグマは大声で叫んでいた。
「はい。その通りです!」
「私はウサギです!私はウサギです!私はウサギです・・・」

ある事実をたとえ話により、より過激に、より端的に語る。
これもブラックユーモアの極意です。
このブラックユーモアは、ブラックユーモアの王道とも言え、明るい笑いは生まれません。
笑いに必ずともなう「なるほど」という納得の感情、共感の感情が生じるだけです。


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